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パン生地は生きている──発酵の中で起きている小さな奇跡
パン作りをしていると、「発酵」という言葉を毎日のように口にする。けれど、この一語の中には驚くほど多くの生命現象が詰まっている。発酵とは、酵母(イースト)が糖を…
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来週のテーマ予告:パンと未来のかたち
来週は「パンと未来」をテーマにした特集を予定しています。まつやまパンはAIを駆使して新商品のアイデアを練ったり経営判断をしたりしています。自分の負担をどこまで減…
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店主の朝ノート:「焼く」と「生きる」のあいだ
パンを焼く朝は、いつも少しだけ静かだ。窯の前に立つと、時間の流れがゆっくりになる。火が入る。空気が膨らむ。パンが生きて、そして「焼ける」という瞬間を迎える。 …
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完璧な立方体を夢見た職人の話
──スティーブ・ジョブズ──をご存じだろうか?50歳代で知らないビジネスパーソンはいないだろうと思えるくらい有名な方だ。そのジョブスがアップルを追い出された後に「ネ…
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パンは丸く焼けるのに、私はキューブを作りたがるのか?
パンというのは、放っておくと丸くなる。膨らみたい方向に膨らみ、やわらかい場所を選んで空気をためる。それが自然な姿だ。 なのに私は、その自由を型に押し込めて“角…
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キューブは神話を裏切った形──パン屋が焼く「知恵の立方体」
パンを焼く人間が“立方体”にこだわるのは、少し不思議だ。自然界にキューブという形は存在しない。岩は削れて丸くなり、氷も角を失う。つまり、キューブとは人間が自然か…
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キューブパンの形 必然と偶然の運試し
キューブパンを焼くたびに思う。この角の中には、少しだけ空気が入っている。完璧に詰めようとしても、どうしても残る“何か”。それは失敗ではなく、たぶん余白だ。 …
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キューブパンという幾何学的な悩み 本当は面倒なキューブパン
焼きたてのキューブパンがオーブン前で整然と並ぶ。角の丸みと焼き色のわずかな違いが“完璧でない美しさ”を感じさせる(まつやまパン)。
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冷凍パンは“時間旅行”をしている
凍庫を開けるたび、少しだけタイムマシンの扉を開けている気がする。数日前に焼いたパンが、あの時のまま眠っている。時が止まっているように見えるけれど、実際には「時…
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パン屋が見る“気候変動”
ニュースではよく「地球が暑くなっている」と言う。パン屋としては、もうずっと前から知っていた。発酵が早い。それがすべての証拠だ。 以前は2時間かかっていた発…
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焼き加減というあいまいな科学
パンを焼くとき、誰もが「焼き加減」という言葉を使う。だが、この言葉をきちんと説明できる人はあまりいない。強火なのか中火なのか、何分なのか。温度を測る人もいるけ…
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パン屋の朝2時──世界の方が寝坊しているだけ
午前2時に起きると言うと、大抵の人は「早いですね」と言う。でも、実際には早いわけではない。ただ、世界の方が寝坊しているだけだ。 外は真っ暗で、空気は冷たい。そ…
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