人気の菓子パンTOP5|あんパン・クリームパン・メロンパンはなぜ愛され続ける? | まつやまパン

コラム & INFO

コラム

人気の菓子パンTOP5|あんパン・クリームパン・メロンパンはなぜ愛され続ける?

パン屋さんが並んだフランスの通り

毎日食べても飽きない“日本の甘いパン文化”

日本のパン屋に行けば、どんな時代でも必ず並んでいるのが「菓子パン」。
あんパン・クリームパン・メロンパン——どれも一度は手に取ったことがある定番たちです。
でも、なぜこの3つが何十年も人気を保っているのでしょうか?

そこには、**日本人の味覚と暮らしに寄り添ってきた“甘さの設計”**が隠れています。
ここでは、専門店の視点から「人気の理由」を味と歴史の両面で見ていきましょう。


第1位|あんパン──“和の甘さ”が時代を超えた

1874年、木村屋總本店が生み出したあんパン
和菓子の餡と洋のパンが出会ったこの一品は、
「日本人にとって自然な甘さ」を実現した最初のパンでした。

・脂質が少なく、豆の香りがふんわり。
・食べると“ほっとする”安定感。
・お茶にもコーヒーにも合う万能性。

つまりあんパンは、日本人の感情に最も近いパン
どんな時代にも「落ち着く味」として愛されてきました。


第2位|メロンパン──見た瞬間に笑顔になれるパン

外はサクサク、中はふんわり。
メロンパンの魅力は、その食感のコントラストと“見た目の可愛さ”にあります。

・クッキー生地の甘い香りが漂う瞬間の幸福感。
・子どもから大人まで「わかりやすい美味しさ」。
・地域ごとに個性が出る進化系(メロン果汁入り、アイス入りなど)。

メロンパンは、味覚だけでなく感情を動かすデザイン性で愛され続けています。
“パンのキャラクター化”という文化の先駆けでもあるのです。


第3位|クリームパン──懐かしさと贅沢のちょうど真ん中

クリームパンの人気は、“やさしさと満足感のバランス”。
中のカスタードが温度でとろけ、ふわっとしたパン生地に溶け込む——
その瞬間、まるでプリンを食べているような幸福感に包まれます。

さらに、どこのパン屋にもあるのに、味は店ごとに違う。
卵感が強いタイプ、ミルキーなタイプ、香ばしい焼き色タイプ。
**「その店の個性が出る菓子パン」**という点で、パン職人にとっても特別な存在です。


第4位|ジャムパン──甘酸っぱさで世代を超える定番

いちごジャムを詰めたジャムパンは、戦後すぐの時代から親しまれてきた“ロングセラー”。
甘さの中に酸味があり、食べ疲れない。
それが現代でも残る理由です。

最近ではブルーベリーやオレンジなど多様化が進み、
冷やしても美味しい“スイーツ寄りのパン”として再注目されています。
シンプルで、どこか懐かしい——原点回帰の菓子パンです。


第5位|デニッシュ系パン──香りとバターの魔力

クロワッサンやアップルパイなど、デニッシュ系も菓子パンの一種。
人気の理由は何より「香り」。
焼きたての甘いバターの匂いが店の外まで漂うと、それだけでお客が集まるほど。

デニッシュ系は“贅沢な朝”の象徴であり、
手軽に幸せを感じられる“日常のご褒美”。
カロリーよりも満足感を優先したい時、
人は自然とこの層を選ぶのかもしれません。


菓子パン人気の秘密は「香り・記憶・安心」

人気の菓子パンには共通点があります。
それは、食べた瞬間に“懐かしい香り”が蘇ること。

パンの香りは五感を刺激し、
過去の体験や記憶と結びついて「安心感」を生みます。
だからこそ、トレンドが変わっても定番が残る。
菓子パン=記憶の味なのです。


まとめ|愛される菓子パンは“日常の幸福”

あんパン、メロンパン、クリームパン。
どれも特別な日に食べるものではなく、いつもの日を少し幸せにしてくれるパンです。

流行やカロリーの話題を超えて、
人の気持ちに寄り添ってきた“甘さの文化”こそが、
日本の菓子パン人気を支え続けている理由。

そして、パン職人たちは今日もその香りを焼き続けています。

この記事の著者

原 新

和食料理人としてオランダをはじめヨーロッパ各地で料理修行。帰国後は様々な修業を重ねたのち、地元・福岡で郷土料理や大麦料理、スープ専門店など、幅広い食文化に携わってきました。
その後、「料理の延長としてのパンづくり」をテーマに独学でパンの世界へ。ベーカリー経験ゼロからYouTubeで1800時間以上学び、一辺6cmの四角い“キューブパン”という形にたどり着きました。
雑穀マイスターとして穀物や発酵の個性を生かしつつ、最近はAIも活用して新しいフレーバーや商品アイデアを探るなど、職人の感覚とデジタルの知恵を掛け合わせた開発にも取り組んでいます。
「まつやまパン」では、“会話のきっかけになるパン”をテーマに、ちょっと楽しく、ちょっと深いパンづくりを続けています。

コメントは受け付けていません。

関連記事

〒814-0131 
福岡県福岡市城南区松山2-16-3-103
電話番号 / 092-600-2980

 

営業時間 / 7時30分~16時
定休日 / 月曜、火曜
【月曜日が祝祭日の場合はopen】

 

プライバシーポリシー / 特定商取引法に基づく表記 / 利用規約

Copyright © 2025 原 新 All Rights Reserved.

CLOSE