パンが体に悪い?──“偏り”こそが本当の敵 | まつやまパン

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パンが体に悪い?──“偏り”こそが本当の敵

食パンとご飯茶碗が並ぶテーブル。どちらも悪くないという調和のイメージ(まつやまパン)。

インターネットではよく見る議論だ。
「パンは太る」「ご飯は健康的」「小麦が悪い」「糖質制限」──。
どれも一理あるが、答えはもっと単純で、そしてもっと難しい。
悪いのは“どちらか”ではなく、“どちらかに偏ること”だ。


🍚 ご飯の光と影

ご飯(白米)は脂質が少なく、糖質がメインのエネルギー源。
ビタミンやミネラルは少ないが、腹持ちはよく、消化も穏やか。
一方で、精白米ばかりを食べ続けると、
栄養バランスが崩れ、ビタミンB1不足(かつての脚気)が起こりやすい。


🍞 パンの光と影

パンは小麦粉を主原料とし、バターや砂糖を加えることで風味と満足感が増す。
だが、その分、糖質と脂質のバランスが高エネルギー寄りになりやすい。
特に市販パンは保存性や風味を優先して添加物が入ることも多く、
「手軽さ」と引き換えに“摂りすぎ”のリスクを抱える。

しかし、全粒粉やライ麦を使えば食物繊維が増え、
腸内環境を整える助けにもなる。
つまり、“パン=悪”という単純な構図では語れない


⚖️ 食文化としてのバランス

ご飯とパンを比べると、栄養よりも**「食べ方の文化」**が異なる。
ご飯はおかずと合わせて食べる習慣があり、
パンは単体で食事を完結させることが多い。
ここに“偏り”の差が出る。

要するに──
ご飯ばかりでも、パンばかりでも偏る。
パンが悪いのではなく、「パンだけ」の食卓が悪いのだ。


🍽️ まとめ:罪を憎まず、偏りを憎め

パンは悪くない。ご飯も悪くない。
本当に悪いのは、思考停止の「どちらかだけ信仰」だ。

たまにはトースト、たまにはおにぎり。
それこそが“人間らしい食生活”という発酵のバランスかもしれない。

私は朝は「炊き立ての白ご飯」が食べたいし
忙しいお昼は「具材の詰まったサンドイッチ」を食べたいのだ。

この記事の著者

原 新

和食料理人としてオランダをはじめヨーロッパ各地で料理修行。帰国後は様々な修業を重ねたのち、地元・福岡で郷土料理や大麦料理、スープ専門店など、幅広い食文化に携わってきました。
その後、「料理の延長としてのパンづくり」をテーマに独学でパンの世界へ。ベーカリー経験ゼロからYouTubeで1800時間以上学び、一辺6cmの四角い“キューブパン”という形にたどり着きました。
雑穀マイスターとして穀物や発酵の個性を生かしつつ、最近はAIも活用して新しいフレーバーや商品アイデアを探るなど、職人の感覚とデジタルの知恵を掛け合わせた開発にも取り組んでいます。
「まつやまパン」では、“会話のきっかけになるパン”をテーマに、ちょっと楽しく、ちょっと深いパンづくりを続けています。

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